はじめに
この回では、制作したシーンの画作りを決定づけるポストプロセス(後処理)およびカラーグレーディングの活用について解説されています。完成映像の雰囲気を左右する要素であり、UE5の機能を使って画質と感情表現を高める工夫が中心テーマです。
ポストプロセスの基礎設定
- ポストプロセス・ボリュームを使用し、露出、アンビエントオクルージョン、ブルーム、被写界深度などの基本的な画面補正を設定。
- ビネット効果やレンズフレア、小さな光のゴーストなど、光の収差やレンズ特性を模した効果を加えてリアルさを演出。
カラーグレーディングで雰囲気を作る
- カラースクリプトで設計された色の方向性に基づき、映像全体の色調を統一。特に影部とハイライト部の色差をどう扱うかが焦点となります。
- LUT(Lookup Table)やカラーグレードでシーンの時間帯や感情表現(例えば夕暮れ、黄昏、夜、夢幻的など)を強調。
配置と演出の調整
- 空気感やフォグ(霧)の効果を前景・背景で重ねて深度感を強める。
- 光の色味とマテリアルの反射率、質感がポストプロセスの効果でどう引き立つかをテストしながら調整。
パフォーマンスと見た目のトレードオフ
- 高品質ポストプロセス効果は描画コストがかさむため、ビューポートプレビューと最終レンダーで見え方を常に比較。
- スケーラビリティ設定を用いて、低中高画質での見た目と負荷のバランスを調整。
まとめ
- ポストプロセスとカラーグレーディングは、映像の印象を決定づける強力な要素。質感や雰囲気を高めるためには慎重な設計と演出意図の共有が必要。
- 見た目を作るだけでなく、適切な負荷管理も不可欠。
- 最終的な仕上げで差が出る部分なので、このフェーズを重視することで作品の完成度が大きく向上する。