はじめに
本記事では、映像制作プロジェクトにおけるモデル制作の進め方とプロシージャル技術の活用について解説されています。アセット制作の効率を上げつつ質を保つための方法とワークフローが紹介されています。
アセットリストの整理と役割分担
- 作るモデルを「汎用アセット」と「一点物」に分類し、用途・頻度に応じて誰がどのツールで制作するか分担しています。
- 汎用アセットはプロシージャル生成を使い、変形パラメータでバリエーションを持たせる設計。
- 一点物は手作業で造形し、造形の個性やアートの意図を反映。
プロシージャル生成の定義とメリット・デメリット
- プロシージャル生成とは、アルゴリズムやノードを用いて複数の処理を自動生成可能なモジュールとしてまとめる手法を指します。
- メリットには、造形の修正を迅速に行えること、バリエーション生成が容易なこと、モジュール化によって他のアセットにも応用できることなどがあります。
- デメリットとしては、計算ロジックの構築に専門知識が必要なこと、似た見た目になりやすいこと、微細な造形には手作業が必要になるケースがあることなどが挙げられています。
使われたツールとワークフローの流れ
- 使用ツール:Houdini(建築・プロップのプロシージャル生成)、Blender(スカルプト)、Maya(手作業造形)、Substance Designer / Painter(マテリアル・テクスチャ制作)、Unreal Engine(プロシージャル生成の検証および最終配置)。
- ワークフロー例:
- Houdini で建築物のモジュールを生成 → モジュールを組み合わせて構造を作る。
- UE5 + Houdini Engine を使いモジュールをインポート → StaticMesh に変換。
- 一点物のプロップは Maya または Blender で造形し、Substance でテクスチャリング。
- Flow Production Tracking(造形の確認共有)を通じて、監修チェックを経て修正を加える。
プロシージャルワークフローの実践ポイント
- モジュール設計時に再利用性を重視すること。例えば窓・壁・ドアなど定番の構造はパラメータで変形可能なモジュールにすることで、複数のモデルで使い回し可能になります。
- プロシージャル生成したアセットは、最終的には静的メッシュにベイクして Unreal Engine 上でのレンダリング等への最適化を図る必要あり。
- 処理速度・編集速度を保つために、細かい造形と大きな構造のバランスを考慮すること。
まとめと今後に向けて
- モデル制作の初期段階でアセットを整理し、プロシージャル生成と手作業の使いどころを見極めることで効率と質の両立が可能です。
- また、モジュール設計・ツール選定・造形分担・監修プロセスを明確にすることで、制作スピードを上げつつ見た目に妥協しないワークフローが実現できます。
- 次回以降は、このモデル制作に使用した各ツールごとの具体的な事例や手法が紹介される予定です。
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モデル制作における効率的なワークフロー -制作の進め方とプロシージャルの活用-