はじめに
GUNCY’S による MotionBuilder チュートリアル連載の第6回では、3Dモデルデータのキャラクタライズに続き、モーションデータ(BVH 形式など) のキャラクタライズを実践します。モーションデータを「動かせるキャラクター」として整備していく工程がメインの内容です。
モーションデータのキャラクタライズとは?
- モーションデータも 3D モデルと同様、Character 情報を持たせてボーン構造を定義する必要があります。これにより、モーションを 3D モデルに適用できるようになります。
- 前回のモデル側のキャラクタライズと大筋は同じですが、動きのあるデータを扱うため、T ポーズの扱いやテイクを使った調整など、注意点があります。
主な手順
ステップ | 内容 |
---|---|
BVHファイルのインポート | 既に準備済みのモーションデータ(例:“dataset-1_bow_masculinity_001.bvh”)を MotionBuilder の “Motion File Import” から読み込む。 |
Character の作成 | メニューまたは Character Controls から新しい Character を追加し、名前を「Motion」などわかりやすく変更。 |
ボーンのマッピング | スケマティックビューと Character Definition を使って、モーションデータの各ボーンを Character の対応枠にドラッグ&ドロップで紐づけ。 Alt + 左ドラッグ が操作の主手段。 |
Tポーズ調整 | モーションデータが最初から T ポーズでない場合、空のテイク(Take001 等)を使って腕・脚などを手動で回転させて T ポーズに整える。グローバル軸/回転モードを正しく設定することが重要。 |
キャラクタライズの確定 | Character Definition タブで “Characterize” を有効にし、Biped など適切なタイプを選択して確定。 |
グループ化 | モーションデータやボーンなどのオブジェクトをグループにまとめて整理。作業中や後処理時の視認性を改善する。例:グループ名 “Motions” など。 |
別テイクの追加モーションをマージ | 同じボーン構成のモーションファイルを別テイクとして追加。Import Options で “Merge” を選び、既存の Character に動きを追加。誤って “Create” を選ぶと新しいボーンが追加されてしまい問題が起きやすいので注意。 |
保存 | 一連の設定が終わったらファイルを保存。例として “Motions_characterize.fbx” といった名前で保存しておく。 |
注意点とポイント
- モーションデータをキャラクタライズする際は、Tポーズ状態に整えること が成功の鍵。少しでもずれていると、モーション適用時に不具合が出る可能性あり。
- ボーン命名規則が整っていれば、マッピングやテンプレートの読み込みがスムーズ。繰り返し使える設定を保存しておくと手間が省けます。
- 複数モーションをマージする際、「Merge モード」を正しく使うこと。それを誤ると、シーンに余計なボーンが入ったり操作しにくくなることがあります。
次回予告
次回はいよいよ「リターゲット編」に入り、モデル側とモーションデータ側で整備されたキャラクター設定を用いて、モーションをモデル上で実際に動かす工程が紹介されます。キャラクタが動き出す重要なステップです。
👉 記事全文はこちらからご覧いただけます:
Zenn 〖MotionBuilderチュートリアル〗第6回~キャラの整理・調整(モーションデータ編)~