はじめに
本連載の第13回では、Animation Layer 機能を使って既存のモーションに差分を重ねる「オフセット編集」を取り扱います。既にノイズ除去や動きの補正を行ったモーションをさらにブラッシュアップする工程です。
Animation Layerとは何か
- 元のアニメーションカーブは保持しつつ、追加の差分をレイヤーとして重ねることで補正を行える機能。
- すべてのキーを打ち直すことなく、手や体の形、位置ズレなどの問題を部分的に調整できる。
モーション修正の課題例
- 棒を掴んでいる手の指の形を自然に整える
- 左手が腰にめり込んでしまっている動作の補正
Animation Layer を使った修正手順
- 前回 Filter を適用したモーションデータファイル(例 “Kaya_Filter.fbx”)を開く
- Animation Layer ウィンドウで新しいレイヤー(例 AnimLayer1)を追加
- コントロールリグを使って、手の指の FK を回転させ、持ち物に沿った形を整える
- 左手のめり込みを補助エフェクタを追加して、腰に追従するように補正
- 指の形を微調整したらキーを打ち、動作をテイクで再生して確認
3Dモデルへのプロット
- 補正後の結果をコントロールリグから 3D モデルのスケルトンボーンにプロットし、修正内容がモデル本体に反映されるようにする
- 修正後のファイルは “Kaya_offset” などの名前で保存
注意点/ポイント
- FK(関節回転)の操作を使って指など細かな調整を行うことが自然な形を作るのに有効
- IKと補助エフェクタを使い分けることで、位置の追従と形状の整えやすさを両立できる
- キーを打った後、必ずテイクを再生して修正箇所の自然さを確認する
まとめ
- Animation Layer を活用することで、既存モーションを大きく壊さずに微細な補正が可能となる
- 差分編集+FK/補助エフェクタ操作で表現力がグッと向上する
- 最終的にプロット操作まで行い、動作をモデルに定着させることがオフセット編集の完成形
次回予告
次回はついに Unity へのインポート段階に入ります。MotionBuilder で仕上げたアニメーションを Unity に持ち込む際の注意点や調整ポイントが解説される予定です。
👉 記事全文はこちら:
〖MotionBuilderチュートリアル〗第13回 オフセット編集